君が酒屋の盃を受け取ろうかと思った瞬間、
神屋の奥で物音がした。
「なんや!?」
酒屋よりも先に君は神屋に入り込んだ。

神屋の店内にはがらくたともゴミともつかない物がごろごろしている…
一つ一つに「○○のミコト」だの「△△の神」だのという札が貼られている。
これらの物には神が宿っているらしく、神屋はそれを売っているらしい。

店内をうろうろしていると、店の奥から、
すすり泣くような声と劣化した音声情報が飛び込んできた。
君は店の奥へと進んでいった。

そこには、店主とラジカセがあった。
ラジカセで鳴っているのは女性の何かの告白…何度も聞かれて情報はほとほと劣化している。
店主はそれを聞きながらすすり泣いていた。
店主がこっちを向いた。
「わかるか?このテープの中には、女神様がいるんだ…神屋をやって何年もするけど…やっと…やっと本当の神を手に入れる事ができたんだ…店頭にある、あんなゴミのような神の宿ったものじゃなくて…やっと…やっと本当の神が…」
店主はむせび泣いていた。

店主はテープを手放そうとしないだろう。
それ以前に、このテープを夜羽に返しても、音声が劣化し過ぎて使い物にはならないだろう。
さて、どうしたものだろうか?


それでもテープを無理矢理持ち帰る

店主とテープを取り合えず夜羽のもとに連れて行く